- 他のデータベースアプリと比較
- Microsoft SQL Serverのメリット
- Microsoft SQL Serverのデメリット
- Microsoft SQL Serverのバージョンとエディションの一覧
- まとめ
他のデータベースアプリと比較
データベースアプリとはデータを管理する保管庫で、保存したデータの検索・更新・消去などの処理が速いため、大量のデータを扱えます。
また強固なセキュリティで保存可能なメリットもあるため、多くの企業で用いられています。
ここではその中でも人気のあるMicrosoft SQL Serverというデータベースアプリについて解説します。
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Microsoft SQL ServerはMicrosoft製データベースアプリ
Microsoft SQL Serverとは、その名の通りMicrosoftが提供しているデータベースアプリです。
データベースアプリで1番人気を誇るOracleに次いでシェアが高く、初心者に利用しやすいデータベースアプリとして有名です。
基幹システムや経理管理システムなどでよく利用されます。
無料版エディションがある
Microsoft SQL Serverには「Express」「Developer」という2つの無料の専用エディションがあります。
Expressは最大10GBまでデータベースを保存可能なため、小規模のアプリやシステムの運用に適しています。
Developerは運用環境での使用権はありませんが、Microsoft SQL Serverの全機能を使用可能なため、技術検証や学習などに活用可能です。
またAzureアカウントを作成すれば、12ヶ月間無料でSQL DatebaseやAzure Cosmos DBなどが使用可能です。
Microsoft SQL Serverの他にOracleやMySQLが有名
Microsoft SQL Server以外に有名なのは、一番人気を誇るOracleと、オープンソースのデータベースであるMySQLです。
Oracleは大半のOSに対応し、あらゆる言語・データ形式に対応していて、大規模システムによく利用されます。
またOracleはCIAのプロジェクトから誕生したため、信頼やセキュリティではほかのデータベースアプリに比較して突出しています。これも多くの企業でOracleが用いられている理由です。
MySQLはWeb開発に適しているため、多くのエンジニアに支持されています。商用使用しないのであれば無償で使用可能です。
Microsoft SQL Serverのメリット
ここからはMicrosoft SQL Serverのメリット・デメリットを説明します。
まず最初はMicrosoft SQL Serverのメリットをご解説します。
SQL Serverは特にWindowsユーザーに便利なデータベースアプリです。また強力な管理ツールを使えば初心者でも簡単に操作可能です。
Windowsユーザー向けである
SQL ServerはMicrosoftの製品なので、Windowsととても相性がいいのがメリットです。
Windows ServerやMicrosoftの開発言語との相性が良いので、とても便利です。
また困ったときにWebで検索すると、SQL ServerだとほぼWindowsの情報が出てきます。
ほかのデータベースアプリだとLinuxなどの情報も出てくるため、目当ての情報にたどり着くのに時間がかかります。自分自身の知りたい情報がすぐに出てくるのもSQL Serverのメリットです。
マウス操作のためコマンド記入がいらない
SQL Serverではマウス操作のみでデータベースの操作が可能なので、コマンド記入が必要ありません。
Oracleなどは操作が複雑で初心者には扱いづらい面がありますが、このSQL Serverはデータベースを初めて使う方でも安心して使用可能です。
強力な管理ツール「SQL Server Management Studio」がある
SQL Server Management Studioとは、SQL Serverを最大限活用可能な専用ツールです。
このツールを使用すると、マウス操作が可能なので、簡単にデータを管理可能です。このツールを使えば、より高度なSQL Serverの操作が行なえます。
Oracleよりコストで有利
SQL Serverの費用はOracleよりも安いので導入しやすいのもメリットです。SQL Server2017の一番高いエディションは1,568,160円であるのに対し、Oracleは5,700,000円です。
Microsoft SQL Serverのデメリット
ではMicrosoft SQL Serverのデメリットとは、どういったものなのでしょうか。
デメリットも考慮した上で、自分自身にあったデータベースアプリを選んでください。
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拡張したTransact-SQLのためクセが強い
Transact-SQLとは、MicrosoftとSynbaseが独自に開発したSQL言語で、通常のSQLの高機能版と位置づけられます。
SQL Serverでは通常のSQLも使用可能ですが、Transact-SQLを使うとSQL Serverを拡張可能です。
しかしTransant-SQLはクセが強いので、慣れるまで時間がかかります。
データベースで凝ったことをしたい人は、Transact-SQLが使いづらければ他のデータベースを使うのがおススメです。
バージョンの更新が早い
ほかのデータベースアプリもそうですが、バージョンの更新が早いので注意が必要です。SQL Serverでは2016年版から2017年版と、1年でバージョンが変わった時がありました。
新機能や最新バージョンついての情報は、書籍やネットで調べても大半出てこない場合があるため、苦労します。
私が最新のバージョンであるSQL Server 2019について検索したところ、日本語の記事や個人ブログはかなり少ない状況でした。英語がある程度できないと情報を入手しにくいのが現状です。
Microsoft SQL Serverのバージョンとエディションの一覧
Microsoft SQL Serverにはバージョンとエディションがあります。
これを知らないとフォルダにアクセスできなかったり、自分自身の用途に合わない製品を買ったりしてしまうので、必ずチェックしてください。
SQL Server製品別バージョン
バージョンとは、Microsoft SQL Serverが内部的に所持している番号で、ダウンロード先のフォルダ名など利用されます。
Microsoft SQL Serverの複数のバージョンを同じサーバーにダウンロード場合は、必ずチェックしてください。バージョンは製品ごとに異なります。
SQL Server 2017:14、0、x、x
SQL Server 2016:13、0、x、x
SQL Server 2014:12、0、x、x
SQL Server 2012:11、0、x、x
SQL Server 2008 R2:10、50、x、x
SQL Server 2008:10、0、x、x
SQL Server2017のエディション
Microsoft SQL Server 2017には無料版を含めて5種類のエディションがあります。
最上位の「Enterprise」は大規模システムでパフォーマンスがシビアなシステム用で、大企業の全社システムに適しています。
「Standard」は小・中規模のシステム用で、中小企業での運用に適しています。
「WEB」はWebで公開するのでのエディションです。
「Express」と「Developer」については、前述した「無料版エディションがある」項目をご覧ください。
SQL Server 2019のCTP
MicrosoftはSQL Server 2019のCTP(community technology preview)を提供しています。CTPとはベータ版のようなものです。2019ではビッグデータのサポート機能を搭載し、データベースエンジン機能の拡張、プラットフォームの多様化など、需要に応える形で色々な新機能を搭載しています。
セキュリティ強化やコンプライアンス機能もあります。最新のCTPのバージョンは2、5で、SQL Server Management Studioは18、0です。
まとめ
Microsoft SQL Serverは、同じMicrosoftが提供しているWindowsと相性がいいので、Windows ServerやMicrosoftの開発言語を使う方におススメです。またSQL Server Management Studioという強力な管理ツールがあるため、マウス操作ができ初心者でも簡単にデータを管理可能です。
Transact-SQLのクセが強い、バージョンの更新が早いというデメリットがあるので、不安な人は無料版エディションを利用してみてから判断してください。Microsoft SQL Serverのメリット・デメリットやエディションの違いをちゃんと把握して、自分自身にあったデータベースアプリを利用してください。