Bluetoothを複数同時に接続する方法!【プロファイル、マルチポイント機能、iPhone、android、スマホ、pc】

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ワイヤレスイヤホンやスピーカー、スマートウォッチなど、いろいろな製品で使用されているBluetooth


そんなBluetoothにおける疑問の1つとして、「複数接続はできるのか?」というものがあると思います。

たとえば、1台のスマホに2台のワイヤレスイヤホンを接続したり1台のワイヤレスイヤホンに2台のスマホを同時に接続したりなどです。

結論から言ってしまえば、Bluetoothは複数接続することができます。

ただできると言っても条件があったり、Bluetoothの複数接続・同時接続に関する決まりがかなりややこしかったり、対応状況などがちゃんと明記されている製品が少ないこともあり、非常にわかりにくい状態なのは確かです。

そこで今回は、Bluetoothの複数接続に焦点を当てて、そもそも複数接続とはどのような状態なのか、どのようなときでは複数接続できて、どのようなときではできないのかについて、説明していきます。

Bluetoothにおける複数接続

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2種類あるBluetoothの複数接続の仕方

結論から書くと、Bluetooth機器は複数接続させることができます。

ただしBluetoothにおける複数接続をとして、以下の2つの方法があるのです。

異なる用途(プロファイル)のBluetooth機器を複数同時に接続する
同じ用途(プロファイル)のBluetooth機器を複数同時に接続する

上記の2つの複数接続方法を理解することが大事です。

また同時にBluetoothのプロファイルについても理解しておく必要があります。

Bluetoothのプロファイルとは?

Bluetoothのプロファイルとは、Bluetoothで通信する際にデバイス間でやり取りされる情報の種類を定めたもの。

Bluetoothでやり取りされる情報には、曲や通話、音声、再生・停止のコントロールなど色々種類が存在するのですが、代表的なプロファイルに以下のような種類があります。

A2DP」→イヤホンやスピーカーにステレオ音声を送信するプロファイル
HEP」→電話の発着信と通話を行うプロファイル
HSP」→ヘッドセットと音声の送受信を行うプロファイル
AVRCP」→再生・停止・スキップなど、機器のコントロールを行うプロファイル
「HID」→Bluetoothdeキーボードやマウスを使用するためのプロファイル

たとえば曲を聞けるだけではなく、通話もできて、さらにイヤホンの側面を押すことで再生・停止をコントロールできるワイヤレスイヤホンは「A2DP」と「HFP」「HSP」さらには「AVRCP」という4つのプロファイルに対応していることになります。

そしてどうして上記のプロファイルが大事なのかと言うと、プロファイルが同じか異なるかで、複数接続できるかどうかが変わってくるため。

基本的にBluetoothは「プロファイルが異なれば複数接続できて、同じであればできない。」となります。

しかし、今回説明するマルチポイントという機能に対応したBluetooth機器なら、同じプロファイルでも複数接続して同時に使用することができるんです。

次から、両人の複数接続方法がどのようなものなのかを詳しく説明していきますね。


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異なる用途(プロファイル)のBluetooth機器を複数同時に接続する

異なる用途というのは、先程のプロファイルが異なるときです。

曲再生であれば「A2DP」、通話であれば「HFP」というように、Bluetoothでは用途ごとにプロファイルが決められているわけですが、異なるプロファイルであれば複数接続できます。

たとえば1台のパソコにBluetoothキーボード、Bluetoothマウス、Bluetoothイヤホンの3台を同時に接続して、使用することが可能です。

「キーボードで記入しながら、マウスを操作し、イヤホンで曲を聞く」。全く問題なくできます。

他にも1台のスマホに、Bluetoothイヤホンとスマートウォッチを同時に接続して使用することも可能です。

パソコンにキーボード、マウス、イヤホンをそれぞれBluetoothで接続して同時に使用できるのは、3台全てが異なるプロファイルなのでです。

同じように、スマホにワイヤレスイヤホンとスマートウォッチを同時に接続できるのも異なるプロファイルなので。

どうして複数接続にプロファイルが異なる必要があるのかと言えば、Bluetoothには同じプロファイルでは1対1でのみ接続するという決まりがあるためなんです。

これは接続の安全性や安定性を担保するための仕組みなので仕方ありません。

なので、1台のパソコンにワイヤレスイヤホンを2台接続して同時に曲を流すことは、「A2DP」という同じプロファイルを使用しているため、基本的にできないというわけです。

同じように、スマホに2台のワイヤレスイヤホンを接続して同時に曲を流したたり、スマホにワイヤレスイヤホン1台とBluetoothスピーカー1台を同時に接続したり、パソコンに2台のキーボードあるいはマウスを接続して使うこともできません。

同じ用途(プロファイル)のBluetooth機器で複数接続する「マルチポイント」

さて、ここまでをまとめると基本的に「Bluetooth機器は異なるプロファイルなら複数接続ができる」ということになります。

しかし、マルチポイントという機能に対応したBluetoothバイスであれば、同じプロファイルでも複数接続ができるんです。

マルチポイントとは、同じプロファイルの機器でも複数接続できるようにする機能。

たとえば1台のワイヤレスイヤホンに2台のスマホを接続して同時待ち受けにしたり、ペアリングし直すことなく、即座に曲の再生端末を切り替えることができるんです。

なので、曲再生や通話など同じ用途で複数接続したいときは、マルチポイント対応のBluetoothイヤホンを選ぶようにしましょう。

Bluetooth機器によってマルチポイントの対応状況が異なるのが問題

Bluetoothの複数接続を実現するマルチポイントはとても便利なのですが、問題があります。

マルチポイントは、ワイヤレスイヤホンなどの子機に複数の親機を接続するための機能なので、たとえば親機であるスマホに子機となるワイヤレスイヤホンを2台同時接続して曲を同時に再生するということはできません。

さらに言うとマルチポイントに対応していても、Bluetoothイヤホンによって複数接続の対応状況には差があります。

たとえば、「曲の再生(A2DP)でのみ複数接続に対応している」ときや「通話の2台同時待ち受けのみ複数接続に対応している」ときなど、色々なパターンがあるのです。

曲の再生(A2DP)で複数接続に対応しているマルチポイント対応Bluetoothイヤホンのとき、2台のスマホに接続して再ペアリングすることなく、曲再生を切り替えることができます。

しかし、通話の2台同時待ち受けをすることはできません。

反対に、通話の2台同時待ち受けにのみ対応しているBluetoothイヤホンのときは、曲再生を2台のスマホの間で再ペアリング無しに切り替えることはできないというわけです。

そして、そもそもBluetooth機器がマルチポイント対応しているかいないかわからない。

さらに対応していても、どのプロファイルが複数接続に対応しているかが製品のカタログなどに明記されていないことが多く、非常にわかりにくいのがマルチポイントの厄介なところです。

メーカー側からすると、あまり優先度の高くない機能なのかもしれませんね。

なのでマルチポイント対応かどうかは、実際購入して見ないとわからないことが多いので気を付けてください。

とは言えワイヤレスイヤホンなどを初め、Bluetooth機器を購入する際は、マルチポイント対応かどかも1つの指標にしてみると良いでしょう。