Web会議システムの選び方
多くの企業でテレワークの導入が急がれる中、Web会議システム・ビデオ会議アプリは、どれを選ぶべきか悩む担当者も多いです。
現在、企業で導入されているWeb会議システムの主なものは、Zoom、Cisco WebEX、Microsoft Teamsです。
ここでは、ビデオ会議システムを導入するときの選び方のポイントをお伝えした上で、この3つのアプリのそれぞれの特徴や、違いを詳しく解説します。
まず最初は、Web会議システムの選び方のポイントをお伝えします。
使いやすさ
まず、ビデオ会議システムを導入するときに考慮すべき点は、Web会議に参加する人のITスキルに見合った使いやすさです。
参加者全員がパソコンやアプリの操作に慣れていて、初めてのアプリであっても、問題なくすすぐに使いこなせるのであれば、この点で選び方に悩む必要はありません。
コストやシステム担当者にとって、最も導入しやすいものを選択すればいいと思います。
しかし、ITスキルが低いスタッフがいる場合は、そのスタッフでも利用しやすいものを選ばなければいけません。
セキュリティ
仕事でWeb会議を行う場合は、会社の機密情報が流出することを絶対に避けなければなりません。
ビデオ会議システムの多くは、そのシステムを提供している企業のサーバーに必ず接続されます。
システム提供会社のサーバーや、途中のネットワークでハッキングされてしまっては、元も子もありません。セキュリティ面での対策がちゃんととなされているかどうかも、選ぶときの大事なポイントです。
ミーティングに参加可能な人数
企業によっては、朝礼や100人規模の大規模な会議などに、ビデオ会議システムを使用する場合があります。
今回比較する3つのアプリは、10人程度の部署ごとの会議で問題なく使用可能です。
しかし、数十人規模の大規模な会議となると、最大使用可能人数に大きな違いが出てきます。
最大何人までの使用を想定して導入するのかも考えた上で、システムを導入しましょう。
Zoom・Cisco WebEX・Teamsのメリット・デメリット
ZoomとWebEX、Microsoft Teamsの、それぞれの特徴とメリットとデメリットを解説します。
Zoomの特徴
Zoomは、アメリカのZoomビデオコミュニケーションズが提供しているビデオ会議システムです。無料プランと有料プランがあり、無料プランでも十分に使用に耐えられるということで、仕事でも多くの方に活用されています。
メリット
Zoomのメリットは、画質や音質の良さと、会議への参加方法がとても簡単な点です。
以前は通信量が少なくて済むとも呼ばれていましたが、ここ最近セキュリティ面を強化したことで、通信量の節約のメリットはあまりなくなってきました。
しかし、通信環境さえある程度整っていれば、映像や音声が途中で途切れることがあまりなく、安定したビデオ通話が可能です。
また、参加者は招待用リンクをワンクリックするだけで、アカウントを作成しなくても会議に参加可能なため、とても便利で利用しやすいと評判です。
デメリット
Zoomのデメリットは、セキュリティ面で不安な面がある点と、無料使用では時間制限がある点です。
Zoomは、使いやすさを第一に考えて設計されているますが、ここ最近急激に利用者が増えたことで、セキュリティ面での穴がクローズアップされています。
アカウントの乗っ取りや、スパム画像がいきなり投稿される等のスパム行為が横行しています。ただし、Zoom側でも対策を強化しているため、今後は少なくなっていくと思います。
Zoomの無料版で3人以上の会議を行う場合は、40分の時間制限があります。仕事で使用する場合は、無料版では時間制限がある点を、デメリットと感じる方も多いです。
Cisco WebEXの特徴
Cisco WebEXも、世界的に利用者が多いビデオ会議システムです。OSやデバイスを選ばずに、Web上から簡単にアクセス可能な、使い勝手の良さが評価されています。
メリット
Cisco WebEXを使うメリットとは、場所を選ばず、パソコンでもスマホでもインターネットに接続可能な環境があれば、すぐにWeb会議を開催可能な点です。
Cisco WebEXを導入したことで、場所を選ばずに会議を開けるようになった人は、便利さを感じています。
デメリット
Cisco WebEXのデメリットは、映像や音声が途切れやすい点です。
自分自身や相手の通信環境がちょっとでも不安定になると、すぐに映像や音声が切れてしまい、Web会議に支障が生じます。
また、初めて使う人には導入のやり方が分かりにくい点も、デメリットとして挙げられています。
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Teamsの特徴
Microsoft Teamsは、ビデオ会議システムというよりも、ChatworkやSlackと比較されるビジネスチャットツールです。
Microsoft Teamsというビジネスチャットのプラットフォームの中の一つの機能として、ビデオ通話機能を使用可能です。
メリット
Microsoft Teamsのメリットは、Office 365を使用しているのであれば、追加費用なしですぐに導入可能な点です。
Office 365の中に、Teamsも含まれています。
ビデオ通話だけではなく、チームごとに、案件を管理して、資料の整理や進捗状況のチェックなどが同時進行で行える点は、ZoomやWebEXにはないメリットと思います。
デメリット
ビデオ会議システムとしても便利なツールですが、色々な機能があるために、初心者には使いにくいといったデメリットがあります。
直感的に操作しにくい部分があり、パソコンスキルが低い人がメンバーにいる場合は、使いこなすのが難しい可能性があります。
Zoom・Cisco WebEX・Teamsを比較
ビデオ会議システムを導入するにあたって、どれがいいのか、Zoom・WebEX・Teamsの違いをそれぞれ解説します。
セキュリティ面の比較
気になるセキュリティ面での評価は、CASBというクラウドセキュリティの診断ツールでの評価の結果を参考にします。CASBの診断結果の中で、この3つの中で評価が最も高いのがCisco WebEXです。
Cisco WebEXに全くリスクがないかといえば、そういうわけではありません。しかし、他の2つを比べると断然高い評価が出ています。2番目にセキュリティ評価が高いのは、Teamsです。
最も評価が低いのはZoomです。Zoomの場合は、2020年に入ってから急激に利用者が増えたために、利用者側の問題も指摘されています。アカウントをSNSで公開する、個人IDが売買されるといったこともありました。
今後は、セキュリティ関連会社の買収などで、対策を強化していくようですが、セキュリティ面で不安な場合は、Zoomの使用は避けたほうが無難と思います。
ビデオ通話品質
ビデオ会議では、ビデオ通話の品質や通信の安定性も重要なポイントです。画質が悪すぎて、相手の顔がよく見えなかったり、資料の字が見えなかったり、映像や音が頻繁に止まるようでは困ります。
この点では、評価が高いのはZoomです。セキュリティ面が強化されたことで、低速でのビデオ通話は難しくなってしまったようです。しかし、他のアプリと比較すると、安定したビデオ通話が行えます。通話品質を求めるのなら、Zoomをおススメします。
参加人数
会議に1回に参加可能な人数を比較すると、ZoomとWebEX、Teamsでは次のような違いがあります。
Zoom:最大1000人まで
料金プランによって異なる
WebEX:最大200人まで
Teams:最大250にまで
Zoomは費用プランによって、参加可能人数が変わります。また、セミナーだけであれば、別プランで最大1万人見ること可能なプランもあります。
導入のしやすさ
会議を主催する方の導入のしやすさは、ZoomとWebEX、Teamsでは特に大きな差はありません。
アカウントの作成や、システムの使い勝手という点での大きな差は特にないようです。
使いやすさ
会議に参加する方の使いやすさでも、特にZoomとWebEX、Teamsに大きな違いはありません。
どれも会議への招待状を受け取れば、アカウントなしでも会議に参加可能な、「ゲストとして参加」の機能を所持しています。
ただ、WebEXは初めての方の初期設定が難しい部分があるようです。ITスキルが低い方が参加する場合は、WebEXではスムーズに参加可能なように配慮しましょう。
まとめ
ここでは、ビデオ会議システムはどれを使えばいいのかといった疑問のために、Zoom、WebEX、Microsoft Teamsを比較しました。どれも無料プランもあり、導入のしやすさなどもそれほど大きな違いはありません。
余裕があれば、実ときに無料で試してみて、最も使いやすそうなものを選ぶことをおススメします。